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植民地政策失敗のツケ?(交渉下手2)

昨日から硬い話が続く。普段はどちらかというとこんな事考えないのに…と自分でも思う。

塩野七生著 文庫版「ローマ人の物語」(新潮文庫)を読み始めた。その中に古代ローマの奴隷支配の方法が解説されていた。要約するとこうだ。
ローマは戦争に勝つと、対戦国の国民を奴隷にする。しかし奴隷といっても絶対的な服従を課し、過酷な労働を強いるのではなく、政治的な服従をすれば、その民族の言葉・風習などはそのままである…云々…。
ローマは敗戦国を、上記のように緩く支配することで版図を拡げていったのであろう。

さて、翻って日露戦争から第2次大戦に負けるまでの日本の対占領地政策はどうであったのか?(そのことについて詳しくないので、間違いがあればご指摘いただきたい)

日本の占領政策は、形の上で同化策をとったのではなかったか。被占領民は大日本帝国臣民として扱われ、教育でも日本語を強制された。自分の母国語(文化)を否定されることほど屈辱的なことはなかったであろう。
しかし同化といっても同じ権利を有するのではなく、徹底的に差別されていたはずだ。卑近な例だが、戦争を体験した世代の日本人が、中国人や朝鮮人に対し、しばしば根拠のない差別的発言をすることでも推測できる。(石原さん、あなたですよ)
そのような差別を受けた民族が、歴史を語る時、そのことを忘れるはずがない。
ローマと対照的な支配方法をとった日本は、占領政策に失敗したのである(勿論、戦争に負けた訳だし)。
そして日本は、アメリカ合衆国からある意味、ローマ風の支配を受けてきた(今現在も!)。だから60年も前の戦争について何故、未だにあそこまで言うのだろうと、ウスラ暢気に思う人間が出てしまう。

中国は、日本の安全保障理事会常任理事国入りに反対表明した。同じ候補のインドには賛成している。昨日も書いたが、国際関係は交渉事、つまりは駆け引きである。中国は、別に日本などそれほど問題にしていないだろう。それよりもアメリカ合衆国との力関係を考えているはずだ。だから、アメリカべったりの日本より、非同盟諸国の代表たるインドを推した方が自国に有利なのは明白だ。

ここ数日、ただオロオロしている交渉下手な我が国のお偉いさん方は、国際的に見れば無能な政治家なのだろう。

そして、そんな政治家しか選出できないでいる僕らが、一番無能なのかもしれない。
# by koujima_ousi | 2005-04-12 20:24 | 思いつ記

冷静に…だそうな

今朝のNHKニュースで、中国での半日デモのプラカードが手書きではなく印刷されたものだった、と報道されていた。それ以上の言及はなかったが、今回の事件は市民の間から沸き起こったものではなく、組織的に周到な計画を練ったものであることを臭わせたかったのだろう。

そんなこと今さら言われなくても、よく考えればわかることだ。
中国の政治体制は日本と違う。天安門事件をまだ肯定しているのだから、偶発的にせよ暴動に発展してしまう危険性のあるあんなデモを許すわけがない。どう考えても、裏で誰かが糸を引いているだろう。(その人間たちの目論見を超えた規模になったとしても)
中国政府も体制批判など、あらぬ方向に話が進まないように国内のマスコミには沈黙を守らせているようだが…
韓国もそうだ。ここに来て激しさを増している日本批判には、市民レベルではない意図がちらついている。
例えば、どちらの国とも領土問題が最近クローズアップされていた。そのカードとして、今回の事件が意図的に引き起こされたとしても何の不思議もないだろう。

私も含めて、60年間平和ボケな日本人は元来「済んだことは水に流そう」的な気質なので、戦争はとっくの昔に終わったこと、あとはみんなで仲良くしましょう、という感じだ。
しかしアジアの国々では、第2次大戦中に日本軍が大陸で何をやったのかをしっかり教育されて現在に至っている。この温度差は如何ともしがたい。
南京大虐殺はなかったとの主張もあるが、百歩譲ってなかったとしても日本軍がそれなりのことをしてきたことは事実ではないだろうか。

日本はあの戦争で負けたのだということを忘れてはいけない。負けた国が悪とされる、それが戦争というものだ。
そして、国連自体がそもそも第2次大戦戦勝国が作ったものだということも忘れてはいけない。日本が常任理事国入りしようなんて言えば、反対する国はこれからも出てくるだろう。(それよりもなし崩し的な憲法改正、自衛隊の軍への昇格、の方が心配。なんせわが国は議論などされずに、いつの間にか物事が決まってしまうから…)

国連安保理常任理事国入りと教科書問題、ずっとくすぶり続けているアホな首相の靖国参拝問題。

三国志の国は、領土問題に絡めて、うまい具合にカード切ってきたな、という印象だ。
交渉下手な日本側は形勢不利になってしまったねぇ。
マスコミの報道を見て、中国及び在日中国人の排斥に走るのは愚の骨頂。一人ひとりが冷静で大人な対応をせねばなるまい。

「冷静に、冷静に…」とばかり言うだけで、国際的に見て冷静な抗議ができない小泉では、何も話は進みませんが…
# by koujima_ousi | 2005-04-11 17:50 | 思いつ記

あまり知られていないCD クラッシック編2

画像が表示できませんでした。残念です。

現代音楽の作曲家を、クラッシックというジャンルに括るのはいささか疑問を感じますがクラッシック編第2回です。

アルヴォ・ペルト 「ARBOS《樹》/アルヴォ・ペルトの世界」

アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt)は1935年、エストニアの生まれです。
彼についての評論は、ネット上で沢山紹介されていますから、そちらをご覧頂くのが私の解説より良いと思いますので、そちらに譲ります。

何も先入観を持たずに聴いていただきたい。ヨーロッパの古い時代や教会音楽を連想させるその音は、余分なものは全て削ぎ落とし、禁欲的、いえ求道的ですらあります。でありながら、同じフレーズを繰り返し聴かされるうちに、至福の境地へいざなわれている自分に気づくことでしょう。

言葉で音楽を表現し相手に伝えるのは愚かしいことかもしれませんが、敢えて言わせていただければ、「静謐」、この言葉で表現するのが一番近いと思います。

この記事を書くにあたって、アルヴォ・ペルトで検索をかけたら、トム・ティクヴァ監督作品「ヘヴン」の音楽を担当していました。ちなみに私はその映画を知りませんでした。

このアルバムの他に「タブラ・ラサ」もお勧めです。

ユニバーサルクラシック ¥2,243(税込)
# by koujima_ousi | 2005-04-09 16:59 | CD紹介

あまり知られていないCD紹介 クラッシック編1

いろいろな方が、独自の視点からのCD紹介をブログで展開されています。読んでいて結構楽しく、しっかり参考にもさせていただいております。

そこで私も尻馬に乗って(というわけでもないですが)、私のお気に入りのCDをご紹介していきます。

では、第1回

ウィリアム・マッテウッツィ「驚異の最高音キング・オブ・ハイF」

あまり知られていないCD紹介 クラッシック編1_c0066638_1681039.jpg


テノール歌手には、High C(ハイツェーと読む Cはドレミのドイツ音名)、というひとつのハードルがあります。どんなにきれいな声をしていても、どんなに表現力があっても、この音を出せなければテノールのオペラ歌手は良い役をもらえません。スターになるためには避けて通れない音だと言っていいとでしょう。
逆にこの音が出れば、多少のことなら目を瞑ってもらえる、ともいえます。

マッテウッツィは、Cのはるか上のF(ファ)を出せる人です。金切り声を上げるならまだしも、音楽的表現としてこの声を安定的に出せるのは驚異です。
このCDは、ライヴ録音です。ピアノ伴奏だけのリサイタルですから、ごまかしは聴きません。彼は、アンコールのドニゼッティのアリアで、そのFを披露します。聴いていると観客の興奮の様子が、その場にいるかのように伝わってきます。
このCD発売の数年後、サントリーホールでのリサイタルに行った私は、しばらくの間、興奮が醒めなかったのを憶えています。
テノール歌手というと、ヴェルディ歌いのように太くてドラマチックな声を要求される場合があります。マッテウッツィにそれを要求してはいけません。ヴェルディのアリアを収録したCDも出していますが、まったく面白くありません。
やはり彼には、ロッシーニやベッリーニ、ドニゼッティ、はたまたそれ以前の時代の歌、カストラートが活躍していた声楽家の黄金期と言われる時代の超絶技巧を駆使せねば唄えないような歌が似合います。

3大テノールや、イケメンなど声以外を売り物にしている日本人、テノールではありませんが奇妙な格好で唄っている大きいのと小さいの、そんなのをありがたがってる方たちにお勧めします。

3大テノールは勿論、素晴らしい歌手です。あしからず…

ビクターエンタテインメント ¥3,095-
# by koujima_ousi | 2005-04-08 16:12 | CD紹介

健康が一番!

昨日、カミさんの父親の調子が悪くなって、私が病院に連れて行きました。幸い点滴を打ったら今朝はケロッとしていて、早速、毎日遊んでいる釣り仲間を呼び出して、アジトで釣り道具を作っています(リタイアしたオジサン達が、まるで中学生のようです)。

最近、私の周りでは体の調子を崩す人が多く心配です。
教室の生徒さんでも、いつもは元気なオバサンという感じの方が、風邪が治らず1ヶ月以上お休みされて、今日久しぶりにいらっしゃったのですが、声がまだ弱々しくちょっと心配になりました。
心配といえば、大学時代の友人が癌で入院しています。再発した部分を切除するため、明日、手術の予定です。手術が成功して、彼が一日も早く健康を取り戻すことを願うばかりです。

何はともあれ、自分は健康で良かったと思います。
私も一時期、軽いうつ病の症状が出て、抗うつ剤を服用していた時期があります。その時は何もやる気が起こらず、2年ほど仕事もせずに毎日ボーっと過ごしていました。(今考えるとただのサボり癖だったかも。競馬依存症だったし…)
周囲の方の協力と援助のお蔭で、今はこうやって社会復帰も果たせました。
何はなくとも(銭はなくとも)、健康が一番!今日も生きていられることに感謝!

自分が(または家族が)、うつ病ではないかと悩んでらっしゃる方は、ぜひ一度、医師に相談されることをお勧めします。最近は良い薬があるので、良い結果を得られる可能性が高いです。

もうひとつ、たまにうつ病でもないのに、「自分はうつ病だ」などとブログに書く方がいらっしゃいますが、うつ病は自覚症状があまりないですから…
本気で心配なら医師に相談しましょう。格好つけて書いているのなら、本当に悩んでいる方々に失礼です。
# by koujima_ousi | 2005-04-06 15:21 | 思いつ記